2018年1月10日(水)
髪が成長する仕組み「マニアックな髪の話」
毛周期の成長期を決めている遺伝子
髪は毛根にある「毛包」という部分で作られています。
毛包は10種類以上の細胞から構成されていますが、大きく分けると
3つの組織に分けられます。
・ 髪の本体である「毛(毛幹)」
・ 毛母細胞が分化した「内毛根鞘(もうこんしょう)」
・ 外毛根鞘
毛根鞘って何?
抜けた髪の根元に、半透明の白っぽい塊が付いていることがあります。
これが毛根鞘です。
毛根ごと抜けたと心配する方がいますが、これは髪を保護し、頭皮と
くっついけている部分です。また再生されるので抜けても心配いりません。
白い塊は皮脂のこともあります。
誰にでも皮脂はありますが、皮脂が多くなってくると髪の成長を妨げたり
炎症の原因にもなります。
適切なシャンプーと洗い方でヘアケアが必要です。
髪は伸び続けるのか
毛母細胞は、身体の中でも最も盛んに分裂している細胞です。
分裂した細胞は徐々に上に押し上げられて、角化して髪になっていきます。
しかしいつまでも分裂して、伸びるわけではなく遺伝子のプログラムにより
毛母細胞自体が死滅して分裂が止まります。
この過程が退行期であり、「アポトーシス」と呼ばれています。
このアポトーシスが始まる命令信号の一つは、線維芽細胞増殖因子(FGF5)
と考えられています。
線維芽細胞増殖因子(FGF5)
遺伝子操作で、FGF5が働かないマウスは、体毛が1.5倍も長くなりました。
これからFGF5が成長期を止めて退行期に入らせること、FGF5がないと
成長期が長くなり、毛が伸びることがわかりました。
FGF5(+) 成長期 → 退行期
FGF5(-) 成長期 →→→ 退行期
しかし、FGF5がなくてもずっと毛が伸び続けるわけではありませんでした。
FGF5の他にも成長を止める仕組みがあり、
これらが複合的に起きて毛が抜けると考えられています。
トランスフォーミング増殖因子β(TGFβ)
この物質も毛包を成長期から退行期に移行させることがわかっています。
しかしこのTGFβは通常、不活性型の状態で毛包に存在しています。
これが、どのようにして活性型に変わるのかが課題となっています。
毛母細胞はなくなるのか?
毛母細胞は、退行期に移行する過程で死滅していきます。
しかし、なくなりません。
毛包上部のバルジ領域(膨大部)と呼ばれる部分から毛包幹細胞が下に
降りてきて、再び毛母細胞となります。
また、この毛母細胞への細胞分裂をコントロールしているのが、
毛乳頭細胞からのインスリン様増殖因子1(IGF1)です。
毛包幹細胞と毛乳頭細胞があれば、毛母細胞はなくならない。
この2つの細胞がある限り、髪が増える可能性はあります。
逆にこの2つの細胞がなくなればいよいよハゲ、ツルツルの状態になってきます。
遺伝子情報は変えることはできないので受け入れるしかありません。
環境因子を変えていく、整えていくことはできます。
ヘアケアにおいては、この環境因子を整えていくことが大切になってきます。
抜け毛や薄毛は、早めの対策が大切です。
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いかがでしょうか。
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